本厚木・厚木エリアで塾を開くなら|小田急線の相模圏ターミナルが擁する教育需要と物件戦略【2026年版】
本厚木駅は神奈川県厚木市の中心駅であり、小田急小田原線の急行・快速急行停車駅かつ広域商圏のターミナルです。新宿から急行で約55分、特急「はこね」「ふじさん」も停車し、小田原・箱根方面との結節点でもあります。厚木市の人口は約22万人(2026年時点編集部概算)で、神奈川県内の中核都市として海老名市・愛川町・清川村を含む広域商圏の核を担っています。
神奈川県の塾市場といえば横浜・川崎が真っ先に語られますが、本厚木エリアには大都市とは異なる「地方型ターミナル駅」ならではの教育需要が眠っています。神奈川県立厚木高校という全県有数の公立進学校を擁しており、その受験需要を軸にした塾経営が成立しやすい環境が整っています。競合密度が横浜・川崎ほど高くなく、先行者メリットを享受しやすいエリアでもある点で、塾開業の候補地として改めて評価する価値があります。
厚木市の人口動態と世帯特性
厚木市は神奈川県中央部に位置し、東名高速道路と国道246号が交差する交通の要衝です。新宿・渋谷への通勤圏でありながら地価・家賃が都心と比べて抑えられているため、ファミリー世帯の定着率が高い都市です。
- ファミリー世帯の厚み:本厚木駅を中心に半径5km圏内には、マンション・戸建て混在の住宅地が広がっています。子育て世帯が一定数定住しており、学齢期の子どもを持つ家庭の母数は安定しています
- 大企業・製造業勤務層の存在:厚木市内にはソニーグループ・日産自動車・富士ゼロックス(現富士フイルムビジネスイノベーション)など大手企業の事業所が集積しています。技術系・管理職クラスの社員の家庭も一定数居住しており、教育費への投資意欲が高い世帯層が含まれます
- 海老名・愛川方面との商圏重複:本厚木駅は海老名(小田急で1駅)と接近しており、商圏が重複しています。逆に言えば、本厚木に出店することで海老名方面の学齢期ファミリーも取り込みやすい立地です
- 高齢化の進行と若年層の動向:厚木市全体では緩やかな高齢化が見られますが、駅周辺の新築マンション供給に伴い子育てファミリーの流入も続いています。学齢期人口の絶対数は横浜・川崎ほど多くないものの、競合塾の数も少ないため一定の生徒獲得は現実的です
教育熱と受験需要の実態
厚木エリアの塾需要を理解する上で最も重要なのは、神奈川県立厚木高校(通称「厚高」)の存在です。厚高は神奈川県公立高校の最難関グループに位置づけられる進学校で、東京大学・国公立大学・早慶GMARCHへの進学実績を継続的に出しています。この学校への合格を目指す中学生の受験需要が、本厚木エリアの塾市場を牽引しています。
- 公立トップ高校受験(厚高・神奈川総合・相模原):神奈川県立厚木高校は本厚木駅から徒歩15分ほどの立地にあり、厚木市内はもちろん、海老名・伊勢原・愛川方面の中学生も受験対象にしています。内申点の比重が高い神奈川県の高校受験制度において、定期テスト対策から内申管理、入試問題対策まで総合的にサポートする塾の需要が根強くあります
- 私立中学受験:厚木市内では横浜・川崎ほど私立中学受験率は高くないものの、桐光学園(川崎市)・光明相模原・日本大学附属・山手学院などを志望するファミリーが一定数存在します。共働き世帯の増加とともに中学受験準備への関心が高まっており、小学校高学年向けの受験準備コースへの需要は今後も継続することが見込まれます
- 大学受験:厚木・海老名エリアの高校生からは、GMARCH(明治・青山学院・立教・中央・法政)・日東駒専・神奈川大学・相模女子大学などへの進学志望が多く見られます。神奈川大学は横浜市にあるものの、厚木市内からも一定の志望者がいます。大学受験専門の個別指導や映像授業型の塾に対する需要があります
- 補習・定期テスト対策:一般的なファミリー層からは「学校の成績を維持したい」「内申点を上げたい」という実利的な需要が厚く、補習型の個別指導塾に安定した顧客基盤が期待できます。特に中学生向けの定期テスト対策は、神奈川県の内申制度が重視される構造上、親の関心が高いカテゴリです
- 英語・特定教科の強化:大企業勤務の保護者層を中心に、英語4技能強化や英検対策への需要も一定程度あります。英語専門塾・英語コースの設置は差別化の選択肢になりえます
既存塾の分布と空白マーケット
本厚木駅周辺には複数の塾・予備校が出店していますが、横浜・川崎・相模大野と比べると競合密度は低く、個人塾・中小チェーンが混在する「中規模競合環境」です。
- 大手チェーンの出店状況:湘南ゼミナール・臨海セミナー・東進ハイスクール(衛星予備校含む)・個別指導のトライなどが本厚木周辺に出店しています。ただし早稲田アカデミー・日能研などの大手中学受験専門塾は海老名・相模大野のほうに集中する傾向があり、本厚木単独での中学受験専門塾は比較的少数です
- 湘南ゼミナールの地域での強さ:神奈川県に本拠を置く湘南ゼミナールは公立高校受験対策で強いブランドを持ちます。厚木エリアでも認知度が高いため、公立高校受験対策で正面から競合する場合は明確な差別化戦略が必要です
- 駅から離れた住宅地の空白:旭町・毎里・睦合・妻田など本厚木駅から徒歩15〜20分圏内の住宅密集地は、塾の出店が少ない傾向があります。車・自転車でアクセスしやすい立地に小規模塾を構えることで、近隣の中学生を地域密着型で集めるアプローチが現実的です
- 愛川町・清川村方面の需要取り込み:愛川町(人口約3.7万人)・清川村(人口約2,600人)は塾の選択肢が限られているため、本厚木の塾に自転車・送迎で通う生徒が存在します。商圏設計上、この流入需要を意識した集客が可能です
- 中学受験準備の空白:海老名・相模大野には中学受験専門塾があるものの、本厚木周辺では少数です。桐光学園・光明相模原志望者を受け皿にする「準専門コース」の設置は差別化になりえます
塾向け物件タイプと家賃相場の目安
以下は2026年時点の編集部概算であり、個別物件の条件・オーナー事情によって大きく変動します。物件探しの際は必ず地元の不動産会社にご確認ください。
| エリア・立地 | 坪数目安 | 月額家賃の目安(概算) | 向いている塾スタイル |
|---|---|---|---|
| 本厚木駅徒歩3〜5分(駅ビル・駅前商業ビル) | 15〜25坪 | 10〜20万円 | 大学受験予備校・高校受験対策・英語専門 |
| 本厚木駅徒歩5〜10分(商業地〜住宅混在) | 15〜25坪 | 7〜13万円 | 個別指導・公立高校受験対策・定期テスト対策 |
| 駅周辺の2〜3階テナント(階段型ビル) | 10〜20坪 | 6〜10万円 | 小規模個別指導・補習型・英語専門 |
| 旭町・毎里・妻田など郊外住宅地 | 10〜20坪 | 4〜8万円 | 地域密着型・補習・定期テスト対策・送迎対応型 |
本厚木駅前の1階路面物件は知名度・通行量の面では有利ですが、月額家賃が高く塾の収益モデルと合わせにくいケースもあります。駅徒歩5〜10分以内の2〜3階テナントは費用対効果のバランスが取りやすく、看板・のぼり旗・チラシ配布で認知度を補う運営が現実的です。
厚木エリアで開校する際の注意点
- 「厚高合格実績」の蓄積が最重要の集客資源:神奈川県立厚木高校への合格実績は、地域での口コミ集客に直結する核となります。開校初年度から厚高受験生の指導品質を担保し、最初の合格者が生まれた段階で積極的に実績を発信することが長期的なブランド構築の土台になります
- 神奈川県の内申制度への対応を明確に打ち出す:神奈川県は高校受験において内申点の比重が高い制度設計になっています。「定期テスト対策で内申を上げ、当日点で仕上げる」という二段階の価値提案は、厚木エリアの保護者に刺さりやすいメッセージです。定期テスト対策を軸に長期在籍を促すモデルが収益の安定につながります
- 自転車・車送迎への対応が集客を左右する:本厚木は神奈川県内では比較的「車社会」の側面があり、保護者による送迎が一般的です。駐車場・駐輪スペースが確保できない物件は通塾の障壁になるため、契約前に必ず確認が必要です。郊外住宅地に出店する場合は特に重要です
- 海老名・相模大野との商圏の重複を意識した差別化:海老名(小田急で1駅)・相模大野(急行で数駅)には大手塾が複数出店しており、生徒の一部はそちらに流れる可能性があります。「本厚木地域に根差した地域密着型」「厚高受験に特化した専門性」「個別対応の手厚さ」といった差別化軸を明確にすることが必要です
- 愛川・半原方面からの生徒取り込みを視野に:愛川町・清川村は塾の選択肢が限られており、保護者による送迎で本厚木まで通わせる家庭が存在します。入塾案内チラシの配布エリアを愛川町内にも広げる戦略は、競合が少ない分で効果的です
- 国道246号・東名厚木ICのアクセスを活かす:国道246号沿いや東名高速厚木IC近くに立地する場合、車での送迎が前提になります。看板の視認性・駐車場の収容台数が来塾のしやすさを直接左右します。ロードサイド型の塾には一定のニーズがある反面、家賃が読みにくいため注意が必要です
編集部メモ:「厚高受験」を軸にブランドを築ける数少ない地方都市型ターミナル駅
本厚木は横浜・川崎・相模大野の陰に隠れがちですが、塾開業の観点では「神奈川県立厚木高校」という強力なアンカーを持つ、数少ない地方都市型の好立地です。「厚高に強い塾」というブランドを地域内でいち早く確立できれば、後から大手チェーンが参入してきても顧客基盤を守りやすい構造になります。
なお、埼玉県の東武東上線沿線(和光市・朝霞市・志木市・富士見市・ふじみ野市など)も「地元の公立進学校受験に強い塾」が地域ブランドを確立している好例です。大宮・浦和ほどの競合密度がなく、地域の公立トップ校(川越高校・川越女子高校・大宮高校など)への合格実績を軸に長年運営している塾が地域で安定した評価を得ています。厚木における「厚高」の位置づけは、東上線沿線における「川越高校」とよく似た構造であり、地域トップ校への実績を核にした塾運営は再現性の高い戦略といえます。
本厚木での塾開業を検討するなら、まず「厚高を目指す中学3年生の定期テスト対策・内申管理」からスタートし、実績が積み上がった段階で中学受験準備コースや大学受験コースを拡充していくステップアップ型の運営設計が現実的です。初期投資を抑えながら地域に根を張ることが、この規模の都市では最も安定した経営モデルにつながります。
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