個人塾の時間割・コマ割り設計ガイド|週スケジュールの組み方と収益最大化のコツ

個人塾を開業するうえで「何時から何時まで、何曜日に何コマ開ける」という時間割設計は、売上の上限を決める経営上の基本設計です。コマ数が少なすぎると収益が上がらず、詰めすぎると講師・塾長の負荷が増えてサービス品質が落ちます。本記事では週スケジュールの組み方から学年別の配置、収益最大化につながる定員管理まで実務的に解説します。

時間割設計が収益の「天井」を決める理由

塾の売上は突き詰めると「コマ単価 × 稼働コマ数 × 在籍生徒数」で決まります。月謝設定をどれだけ工夫しても、物理的に開講できるコマが少なければ収益には限界があります。

また時間割は「生徒が通いやすいか」にも直結します。たとえば富士見市・ふじみ野市・志木市のエリアでは、中学校の部活終了時刻が18:00〜19:00台になることが多く、19:30スタートのコマが埋まりやすい傾向があります。地域の学校行事や部活スケジュールを踏まえた設計が、空きコマを減らす鍵です。

開業時の基本コマ設計:週何コマが現実的か

講師1名(塾長のみ)で運営する場合のコマ数の目安を以下に示します。

運営体制1日の最大コマ数(目安)週の合計コマ数(目安)備考
塾長1名・集団指導3〜4コマ15〜20コマ授業準備・採点時間も確保必要
塾長1名・個別指導4〜6コマ(同時2〜3名対応)20〜25コマ自習監視型なら同時対応数を増やせる
塾長+講師1名6〜8コマ30〜35コマシフト重複日に集中配置が効率的

開業直後は生徒が少ないため、全コマを埋めようとすると無駄なコストが発生します。「月〜土の週5〜6日・1日4コマ以内」から始め、在籍生徒が増えるにつれて増コマするのが現実的な進め方です。

学年別・時間帯の配置ポイント

時間割を組むうえで最重要なのは「生徒が学校から帰宅する時刻」と「就寝時刻の逆算」です。学年ごとの来塾しやすい時間帯の目安は以下のとおりです。

学年推奨時間帯(目安)設計上のポイント
小学生(低〜中学年)15:30〜17:30夕食前に終わる設定が保護者に好まれる。習い事と曜日が重複しないよう複数曜日設定を
小学生(高学年・中受準備)16:00〜18:30受験生は週3〜4回来塾が多い。宿題量に合わせて90分〜120分コマを設定
中学生(1〜2年・部活あり)19:00〜21:00部活終了後の来塾を想定。朝霞市・和光市エリアでは部活が遅い曜日が校によって異なるため複数曜日設定が有効
中学生(3年・受験生)17:00〜21:30夏以降は17:00台から来塾可能になるケースが多い。テスト前は延長コマを別途設定
高校生18:30〜22:00帰宅時間が遅く終了が22時を超えないよう設計。保護者の送迎負担も考慮

新座市・川越市など東武東上線沿線の各駅周辺では、高校生の通学時間が長く、18:30スタートが現実的な開始時刻になります。駅徒歩圏の塾であれば「学校帰りに寄れる」ことを時間割で明示すると集客上の強みになります。

収益最大化のための定員管理と曜日設計

コマを設定するだけでなく、「どの曜日にどのコマを人気にするか」を意図的に設計することが収益最大化につながります。以下のポイントを押さえてください。

  • 人気曜日(火・木・土)に主要コマを集中させる:月曜・日曜は家庭行事との競合が多く、稼働率が下がりやすい傾向があります。開業初期は火・木・土に主力コマを配置し、埋まってから月・水・金に拡張するのが合理的です
  • 1コマあたりの在籍上限を決める:個別指導で「1対3」なら最大3名、「1対2」なら最大2名と定員を設定します。定員を設定することで「残席わずか」の希少性演出ができ、入塾検討中の保護者の背中を押す効果もあります
  • 「固定コマ制」と「フレックス制」の選択:生徒ごとに曜日・時間が固定の「固定コマ制」は管理が楽で欠席管理もしやすい。「週の中から選ぶフレックス制」は生徒の自由度が高い反面、コマの予測が難しい。開業初期は管理の容易な固定コマ制を推奨します
  • 1コマの長さ:80分・90分・120分が一般的な目安です。中学生の集団授業は90分、小学生は60〜80分が集中力の観点から現実的です。個別指導は80分が多く採用されています

失敗事例・成功事例

失敗事例(匿名)

  • 週6日・1日5コマ設定で塾長が燃え尽きたケース:坂戸市・東松山市エリアで開業した塾長が、開業当初から意欲的に週6日・1日4〜5コマを設定。生徒が順調に集まったものの、授業準備・採点・保護者対応が深夜に及び、開業から1年で健康を崩した。「コマ数を絞って1コマあたりの質を上げる方が長く続けられる」と振り返っている。開業初年度は週4〜5日・1日3コマを上限とし、余裕を持った設計が望ましい
  • 時間帯が生徒のニーズと合わず空きコマが続いたケース:17:00〜19:00の中学生向けコマを複数設定したが、地域の中学校の部活終了が19:00前後のため、そもそも来塾できる生徒がほとんどいなかった。入塾希望の保護者へのヒアリングと地域の学校行事カレンダーの確認を怠った結果、開業から3ヶ月間、空きコマが続いた

成功事例(匿名)

  • 「土曜集中コマ」で他塾との差別化に成功したケース:ふじみ野市・富士見市エリアで開業した塾が、平日は週2回の通常授業、土曜に90分×3コマの「週次まとめ授業」を設定。部活で平日に来られない中学生を中心に土曜コマが満員になり、「土曜に来るだけでOK」という保護者への訴求が効いた。土曜の稼働率が平日より高くなり、全体収益の4割近くを土曜コマが支えるようになった
  • テスト前2週間の「特別コマ」設定で口コミが拡大したケース:通常の週次コマに加え、定期テスト2週間前に限定した「テスト対策特別コマ」を夜20:00〜22:00に追加設定した塾。みずほ台中・南畑中など近隣中学校のテスト日程を把握し、学校ごとにコマをわけて設定したことで「あの塾のテスト前特訓は点数が上がる」という口コミが広がった。通常コマの増加にもつながり、開業2年目で在籍数が1.5倍になった

編集部アドバイス:時間割は「育てるもの」

開業時の時間割は完璧を目指す必要はありません。実際に通い始めた生徒・保護者のフィードバックをもとに、半年〜1年かけて調整していくものです。大切なのは「この曜日・時間帯に誰が来るか」を常にモニタリングし、空きコマが多い時間帯は削減または別の学年・コースに転換する柔軟さです。

また、時間割を変更する際は在籍生徒への影響が大きいため、半期ごと(4月・9月)のタイミングに合わせるのが摩擦を最小化できます。「今学期はこのコマ、来学期から調整します」という形で保護者に事前説明する運用が定着している塾では、コマ変更によるトラブルが少ない傾向があります。本記事の数値・時間帯はあくまで2026年時点の一般的な目安です。地域や学校の事情によって大きく異なるため、地元の学校カレンダーや在塾生へのヒアリングをもとに調整してください。

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